北カスターナの伯(諸王)

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クライセン地方

アルボンス伯

大変な高齢で、八十七歳。諸伯はアルボンスを尊敬している。物語と詩の顕学で「中央」に影響力をもつ。文化局の創設者でもある。旧エギナ帝国のエギナ人ケズレンという祖国を裏切り最後までカスタナに尽くした英雄の血も受け継ぐ。北のはずれにケズレンの望みで伯領を持った。北からカスターナへ戻って来るエギナ人を発見するためだという。しかし伯領は地味が貧しく荒野である。クライセン、バラムを治め、北方への備え伯領への軍の駐屯、自国の備兵によって、力のある防衛戦を築いている。ニヤール伯とは仲が良くない。

ババン地方

二ヤール伯

英雄フルディンセインの直系で35歳。エギナ人の妻を持つ。美しい女性で彼より政治手腕に長け、内政の政務のおよそ半分を委ねられている。滝のある良港を持つサデンは海賊のたまり場になっているが、ここに住む住民には敬意を払われているため治安は良い。住民にはエギナ人が多い。伯が大胆な男であろうことは想像に難くない。実は彼の背景を知らしめたいという彼の自己顕示欲の現れである。エギナ文化の品、書物、アグリコルム内陸帝国前時代の遺物などを収集する趣味を持つ。アルボンス伯とは仲が良くない。ビョルド、スチッカ、ナソック、サデンを治める。

サイサース伯

72歳。海賊討伐の英雄シルドブローブルの末裔。しかし、オールド・フォール湾(古滝湾:ころうわん)に面するトゾンの港は私掠海賊がよくやって来る。盗品や強奪品、奴隷などが取引されているという。ブラックホークとの付き合いも噂されている。かなりの資産をもち、コストルには邸宅と画廊を持つことから、彼がかなりのやり手であることは想像できる。伯士としてよりも商人としての生き方のほうが似合いそうな人物である。大英雄の血縁関係にはない。エゼル人である。トゾン、イリュス、ホリブカスを治める。トゾン一帯はかつてブラックホークの根拠地であった。

メアロア伯

絶えてしまった英雄フィルアラットと英雄エスブレールの血が流れる、サイサース伯と対称的な高貴な血筋の末裔。女性、58歳。英雄ラグの血を引く夫は亡くなっていて、子はなく、アズアマイル伯から養子を取ろうとしている。女伯は保守的で、警戒心の強い慎重派。噂を気にする性質。趣味は織物。夫だったメアロア伯はニスパステイア伯の息がかかっていた入婿で、彼の死は女伯を暗殺しようとして失敗した結果ではないかとされている。夫婦の仲はあまり良くなかった。女伯の邸には女性しかいないことは有名である。伯領の港の治安は悪いが天然の良港で商船や海賊がやって来る。オングドロスを治める。

ジマケ伯

37歳。領内はワイン用のぶどうの生産が盛んである。ジマケ伯自身、ワインの愛飲者であるが、マジ産のワインにはかなわないと言っている。ワインの醸造技術を欲して、自領の製品の品質向上に努めている。奴隷の多い国であったが、ジマケ伯は彼らすべてを解放し、精力的な労働を求めた。この方策は商人のバロルブラックの助言によるもので、伯士自身は政治手腕を持たぬに等しく、全て宰相のカイアイルに任されている。ミルダス、ブランゼ、ラズカズを治める。細身の剣と手紙をしたためることを好む。英雄フルデインセインの傍系の子孫である。

ポエプタース地方

テスブライアス伯

57歳。掠奪船を取り締まり、警備兵を設置しているが効果を上げていないに等しい。伯領はすべて島であり人口は少ない。ホイルトロスでの中継貿易を奨励している。英雄の血は流れておらず、先祖は国営海賊団の長であった。その末裔であるためか船旅を好み、外交家として名高い。いわば、この連合の第二の顔とも言える存在である。ペディオン人の商人ハウルと親しく、領内にその倉庫もある。北方・西方、また言語を問わず付き合いが広い。語学力は高い。文通もしている。そのためか領内は民主的で、自由なものとなっている。ホイルトロス、マルノ、カイズ、ロブラスのすべて港町を領有する。異邦局の局長を務める。

ムルーバー地方

ハイフォール伯

英雄フォーノールの傍系で、スイルアロン伯の実弟。ハイフォール家の養子として育てられた経緯がある。元は英雄ラグの傍系でかつては海賊討伐で勇名を馳せた。50歳。マジへ繰り出し買い物を楽しむのが趣味。伯領は兄のスイルアロンより栄えている。なかでも銅はかなり産出し潤っている。経済力を活かそうとしないことから、彼があまり有能ではないことを物語る。ニスパステイア伯と親しくなっており、コストルに繰り出すことも多くなった。カスタナ系商のカルターリースによってアズアマイル伯との関係が良好である。カパトス、ケイス島を領有する。

ビスエール伯

24歳。英雄チェルジャバルの直系の子孫。疑り深い性質でなかなか信用を得ることはできない。オルゴの町、伯領から離れることを嫌う。先代からの砂金採掘で莫大な利益を継承したが、そのためか今に至って独身で、遠縁のカスダマルド伯が少々口にするくらいのもので女性に積極的ではない。カスタナ商アバランカウンを高く評価し信をおいている。ラジェスに軍を投入し、さらにムルーバー島の開拓、治安の強化、フェントー山巡礼者の監視などに力を入れている。フェントー山は異神ベルムン、冷酷神タズ女神の霊山で警戒は慎重に行われている。ラカロアース王からは、人物眼を買われ、人事局長を任命されている。バランラド、オルゴを領有する。

スソラボラン伯

44歳。国営海賊で唯一、伯士の息のかかった最大の海賊”ノルテキアン”を持つ。その略奪品の取引のためマジの商人と面識がある。また、領内には大規模なぶどう園が多数あるので、海上輸送を行う商人とも交際がある。巨大なぶどう園から望むフェントー山の眺望が素晴らしいので社交パーティーを催す非常に美しい館があり伯士が経営している。他領の伯士も集まる。伯士によってデューラ海東方で唯一、トランペットを奏でることのできる音楽団が作られ、王宮へ派遣したりと音楽に造詣が深いと見られる。コニア、ブリス、アゼン、テルの町を治める。英雄ナルカームスの傍系の子孫である。

ジレンフロイ伯

21歳。マジを治める英雄クロールボイゼの末裔。美しいものを好み、カスタナ系商ラドルエイマーとカスタナ系商バロルブラックと仲が良く三人でマジ博物館を運営する。そこに美術品のいくつかを寄贈した。征服前の古代マジの街や港の美しさの維持は彼の趣味による都市計画によるところのものである。噂ではエギナ人からフェアリーまでの広範囲な美術品を所蔵していると言われ、ジレンフロイ伯は特に親しい者にしか見せようとしない。先代から引き続き彼自身も絵筆を持つ。エギナ人迫害に反対する一派の中心人物とされ、諸伯の不興を買い、警戒されている。それも先代の父から受け継がれたものであろう。しかし、ラカロアース王と親しく、彼の末息子の教育を受け持ち、重商政策を教える。五年前までは盗賊の取り締まりを厳しく行ったが、通算二千人を超える死刑を執行したため非難を買い、現在は取締りが緩和されている。マジの商人たちに十分の一税を課し収益としている。

アゼッパ地方・カスル地方

アズアマイル伯

黒く長い髭を生やす。若い頃は野心家であった。十五英雄サイナーアールの傍系の子孫。サイナーアールの直系は絶えている。子煩悩で、実子を失った今、孤児出身の四人の男児、一人の女児を養子に迎えている。このうちからメアロア伯が養子を取ろうとしている。ラカロアース伯、ニスパステイア伯とアズアマイル伯の三人が皇帝選出に候補として残ったが、辞退した。また五、六年前まで建設大臣を務め、ラカロアース皇帝の指示で街道整備と港湾再整備に尽力した。この事業にはミルゼット伯から助力を得た。ラジェス、カルタジョン、ペロトス、ソルボルコ、カスル、チアリーバ、タパクーア、ビラマラス、グラスス、ブラトニド、バルトドン、プルデル、リカート、アゼッパを治める。ラジェスはスコープスベノンの蛮族の侵入で戦果が上がっているが、連合王軍の派遣で戦況は好転している。カスタナ系商のカルターリースによってハイフォール伯との関係が良好である。五十一歳。

マルバルネット伯

英雄チョルギスオンの直系で61歳。カスダマルド伯の親友である。現在は代行(摂政)の息子カンナーエルが政務につく。伯は北方探索で二十年もの旅のため代行が設けてある。代行は40歳で策謀家と言われ、伯とは正反対のインテリ肌だが、すぐにカッとなる性質を父から受け継いでいるという。古代のミスリル鉱山を再び発掘し、わずかな人数でも結構な収益を上げている。しかし、ミスリル鉱石のみの取引であるため、加工や精錬技術を非常に欲している。代行の趣味は読書と書籍収集。伯領の人口に比べ、かなりの私兵をもっている。チラン、コルドを治める。

アイタル地方

ヴァスガライド伯

馬術を好む。馬の飼育と売買を奨励しており、ロストーク種の馬は有名である。ラカロアース(皇帝)とは幼馴染で、ヴァスガライド自身は文武のうち武道を選んだ。ラカロアース(皇帝)の息子、エイエアルを育てているなど、信頼されていることが窺える。しかし、血を好まず、武芸を好むというのが持論で、誤解の多い人物である。十五英雄の血は流れていないが、かつての名将アンビルスの孫である。ロストークを治める。三十歳。

ミルゼット伯

英雄シェルテラスの傍系(直系は断絶)で48歳。顎が長く鼻の高いことから”くちばし”という仇名が有名である。蠍毒からの野菜がカスル向けに伯領を通るため農業は盛んではないが、その安い野菜を餌にした畜産が盛ん。伯の利益追求はかなり執着的で、利益に敏感である。そのためか宗教に無関心で町々にいろいろな宗派の者もやって来る。趣味は珍奇物の収集。またアズアマイル伯の親友で彼の事業に貢献した。アイディン、バキュスを領有、小さな村落も比較的に多く含まれる。兵は伯領のみを守備する。

オイクライネド伯

英雄ナルカームスの直系の血筋を引く。四十六歳。領内のほとんどは小麦などの穀物栽培地となっている。比較的、インテリな伯士で、些細ながら魔術を嗜むという。女好きで、更に奏楽と作詩が趣味である。しかし妻を早くに亡くしており、後妻、その継妻とも亡くして、独身の身である。カスルの町で美しい娘と戯れることもあるが再婚はしないらしい。ダーパスを治める。

ツイラン伯

片目の背の高いスラリとした男で、その姿に関わらず80歳だという。一目置かれた存在で、道徳主義者だとされている。セト教徒である。黒い衣服を奨励しており、彼もセト教の教義を守っている。この伯領には殺し合いも重税も盗みもないと噂され、領民は規律に厳格であるという。「中央」には三回に一回の割合で出席するが、黒衣の神官を二人伴っている。熱心な信者でエイヴォン伯の教義解釈を非難している。また、エギナ人迫害に反対していて、このカスターナの王軍や伯王軍強化することにも反対している。バタロウ、ベスキンに居住する。英雄ランドグロアースの傍系の子孫である。

キマルカラムス伯

六十一歳。伯士としての経営手腕に優れている。治めるただ一つの大きな町、チャーズド近辺は香木の産地で、「花の都」と呼ばれる。また、養蜂も盛んで伯士の庇護のもと発展してきた。大理石を多く使った邸に住むが、これはラカロアースからの贈答品で、元来、倹約家である。エギナ人迫害の過激派で、それは若い頃にエギナ人反乱が勃発したときの苦難によるものと思われる。キマルカラムス伯自身は養子の身の上で、家督は英雄クロールボイゼの傍系であった。

カスダマルド伯

英雄チェルジャバルの傍系の血筋を引く。三十五歳。野心家であるが髀肉の嘆の憂き目にある。北カスターナのアイタル地方で比較的広い領地を収める。プロブルアールの商取引の拠点がある。武器やいくさ絵の蒐集家でもあり、何人かの剣豪を食客として遇している。ただがむしゃらに戦う古来の気風を備えた、昔ながらのカスタナ気質である。遠縁のビスエール伯に縁談話を時折すすめる。マルバルネット伯とは親友同士である。ナイムス、ルイカス、ラタブルスを治める。領内の森では狩猟が盛んだが森の奥地には、人はあまり踏み込まない。

エイヴォン伯

五十四歳。セト教を信奉する。盲目の病気のため、あまり「中央」に出席しない。黒色を好み、“黒伯士”の渾名を持つ。英雄シャルグレートの直系でかつては弓術に優れ、かなりの腕前だっだ。盲目であることを嘆いており、「私にとって全ては暗黒だ。色彩なぞ私にとって黒以外の何物でもない」という言葉は広まっている。ムルグル、ビーラットを治める。ツイラン伯領と同じく、この領内も黒い衣服を奨励しており、奇妙な雰囲気の国となっている。ツイラン伯からはセト教の教義解釈上の非難を受けている。

ディラフォール地方

ラカロアース伯(皇帝)

二十九歳。文武に優れカリスマ性が高い。皇帝に選ばれたのも当然だろう。フェス=ディーグルを中心とした道路網の建設に熱心である。十五英雄の一人ランドグロアースの直系の子孫とされる。国政に非常に熱心である。他を顧みないほどである。他の伯に敵対派もあるが、その勢力は弱い。皇帝位は正式にはエギン帝国皇帝で、旧エギン帝国の玉璽を持つ。旅行好きで、騎行と帆船での旅を好むが、政務に多忙で、あまりそうした時間をとることができないと嘆いている。もっともその旅でさえ国政の一環である。馬に多少興味がある。妃は三十一歳でラカロアース伯よりも年上だが、美しい女性で、三人の子供を設け、うち一人は女子である。妃はやや倹約家で、良い助言者でもあるという。パリナス、ウサイア、オビトス、ライドローザ、バイア、イガープス、ローカ、マラルグ、ニラサス、セラーナ、そしてフェス=ディーグルを治める。スコープスベノンの蛮族の南下に瀕し、アズアマイル伯とともに苦境にある。有力者ブロンドカスクの弟子であり親友である。

チューン地方

テイア・クロア伯

蠍毒の大クロア族の王である。30歳。意気旺盛。王(族長)はカスタナ人でクロア族(クロア人)ではない。好戦的で力が強く叡智を備え敬われているという。イズクロア伯とは険悪な関係で、争いが多い。「中央」ではいつも独り言のように不平を言い、他の伯も、この両者の争いへの関与を避けている。彼は陰謀家で蠍毒とも親密で野心がある。住民は彼のことをイルフランス神の化身だと考えている。住民はチューン山の起伏のある土地を耕作している。チューンを領有する。

イズクロア伯

十五英雄ランドグロアースの傍系である。チューン山を奪われ、クロア族と戦った。王軍はチューンを防衛し、多勢に無勢で敗れた。ラカロアース(皇帝)の反対派で、ニスパステイア擁立派の中心であった。テイア=クロア伯との仲は非常に険悪で争いが多い。ところが、ラカロアース(皇帝)に審裁大臣に任ぜられ、私怨と恩義に挟み込まれている。スコープスベノン勢力との仲も囁かれ、黒い人物との噂も多い。あまり知られていないがイズクロア伯領内では、評判が高い。妙な良さのある伯である。エコイス、ガンピを治める。五十八歳。

コストル地方

ニスパステイア伯

カスタナ系商ヴェネボールとハイフォール伯と親しい。72歳。英雄ラグの直系であり、英雄ランドグロアースと英雄サイナーアールの傍系の血筋でもある。ラカロアース伯、アズアマイル伯とともに皇帝選出に候補として選ばれた一人である。その血統に恥じることのない能力と威厳は王たりてもおかしくはなかろうとも思われる。世間に思われるほど権勢欲はないようである。その巨大で価値のある領土は彼と兄王の築いたものであるが、その継承者がいない。首都コストルに居を構えており、樹々に囲まれたゆったりとした住まいとなっている。趣味は狩猟で、猛禽を使った風変わりな猟法を使う。次代王位の評判の高いシズグラー伯を我が子同然と熱心に修養させている。王位はともかくとして少なくともニスパステイア伯位継承者はシズグラー伯ではないか。エギナ人迫害には賛成していて、彼ではなく、ラカロアースが王に選出されたのはエギナ人にとっては幸運であったことだろう。彼はハイルダル風の雄々しさを好むが、学問にも通じていて高い教養を備えている。生来、禿頭で被り物に凝っている。コストル裁判局の局長、建設支局の支局長を兼任。コストルの政治に熱心であり、世間が考えるほどには王に反感を抱いていない。近年、海上開発を唱え、南東への航海調査を提案している。領内は治安が良く、交通も盛ん。王宮がコストルに移動してから、コストルは首都に花咲いた。メアロア伯の亡き入婿の噂から察するに彼の表面は全く清廉だが、利益に敏感だと噂され、おそらくは陰謀にも長けている。天然の良港をもつ、ルーエ、カインジャ、マナガトル、コリマガス、マラジョ、サルカイ、フェイジョ、フルンズ、ナキトス。バスディー、プンターク、アマイアル、コントップ、サンマを領有する。武人の食客を1ダースほど囲っている。

ネウケン地方

スイルアロン伯

58歳。養子に出されたハイフォール伯の実兄。広いが価値のない伯領を治める。努めて先代からの負債を返還して減少させたが、最近になって堕落し始め、贅を好むようになり、王からの警告を受けるに至った。英雄フォーノールの末裔である。かつては名君で通っていたが、もうとうの昔にその評判は忘れ去られている。かなり肥満した体形をしている。さらに酒色を好むことから、嫌悪されている。また領内には盗賊や逃亡者がよく逃げ込み、小さな組織を作っているが、これは彼が政治に無関心になってからである。また、セト神の僧侶を侍らせ、その教義を聞くこともあるという。セト教徒として帰依したとの噂もあるが、セト教擁護の布告は出していない。負債は貯まる一方で妻とは離婚、実子は離散しており、精神薄弱で半身不随の養女を溺愛し、侍女とで暮らしている。サルカイ、マイトロット、ネウケン、オルオを治める。だが、サルカイを除き、ほぼ領内の町は自治を行っている。無論、彼の失った抵当のためによる。

マルノ地方

メルデール伯

英雄タルマルトの直系で38歳。キマルカラムス伯に共鳴し、エギナ人迫害の過激主義者。私掠海賊の庇護者で、熱心なメトル教徒。しかし、メトル教の教義に反することが多く、三度も破門されたことがある。領内に町がないのは先代のときの地震によって破壊されたためである。町の構造のせいで大被害となった。よって、迫害も、信仰も、庇護も利益を上げるためであろうが、功を奏しているとは思えない。伯領の政治は賄賂が横行して腐敗しており、彼の的外れの積極策が没落を早めている。治める町邑はなく再建も途上で、趣味らしい趣味もない。

シズグラー伯

5歳。病弱な13歳の兄を持つ。マオロ〜マルノ間の交易と街道のキュトでの都市への課税で成り立つ小規模な伯家である。シズグラー伯士自身はフェス=ディーグルの邸におり、ラカロアース王とは従兄弟である。つまり、ランドグロアースの傍系の子孫である。またニスパステイア伯とも親しく、フェス=ディーグルの邸から剣や馬術、狩猟、学問の修養のため、一季節一ヶ月コストルへ移動する。噂では次世代の王とされ、子息のないニスパステイア伯の伯位継承者とも囁かれている。ラカロアース王の王子エイエアルと年齢は違うが良きライバルとして王からも大切にされている。マオロ、キュトを治める。また、マナガトル、コリマガス一帯を彼が十四歳になったとき譲られるということは公式に発表されている。彼自身の才能は素晴らしく、それゆえ妬む者も多いため、王は手練の護衛を付けている。アズアマイル伯とは面識を持たない。

関連項目

北カスターナ連合王国