エルフ

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 エルフとドワーフの関係は悪い。それはいにしえから積もり積もった戦いの結果と言える。エルフは一応、統一国家のキリウス高山王国を持ち、”都(みやこ)”を一族のふるさととしている。エルフは俗に言う妖精と呼ばれるものであるが、人間と同じく実在する種族である。
 音楽や絵画などの芸術を好む。酒を愛し自然を愛でる。彼らの住まう森は陽の光の届き、平和で楽しく、和やかな世界である。
 エルフは背が高く美形であり痩せ身である。また耳の尖っていることが特徴である。彼らは地の底を嫌悪している。密室と腐臭を嫌悪している。
 誇り高く、その銀とか紫とかいわれる色鮮の瞳は穢れることを嫌う象徴と言える。
エルフは森に生えているセレンの木を住み処にしていることが多い。樹上に生活を営むのである。決して地上に降りないわけではなく、ただセレンの木が彼らにとって神聖であり、話さえ出来るという好き嫌いの別によるものらしい。
 個人差が大きいが、エルフは自分の生まれた森の声を理解でき、それによって侵入者を知るという。森は木の種類によって、邪悪だとか、正義だとか個性がある。
 エルフはセレンの若木の枝でいい音のする弓を造る。エルフは職人を重んじている。弓や楽器とか、櫛などの装飾品だとか、うつわ(器)とか鏡、衣類なども芸術品として扱い、職人は人間だろうがドワーフだろうが厚遇される。
 四年に一度のフェスティバルは"都"からの使者「伝令」が銀とダイヤと絹で着飾って走りながら村々を廻る。走者は村長の家に神聖な樫の実(ドングリ)を七粒、扉にぶつかるよう投げつける。「伝令」は鳥のように魔法の力でもって走って行く。この祭りには追放者以外の者が生まれ故郷か真実の故郷”都”に戻って祭りに臨む。この祭りに四回続けて出なければ十五年追放される。
 祭りは二週間続く。祭司がドングリの神聖な文字を読み、”都”の出来事を伝える。そして祝うべき事柄と、歌うべき歌と、踊るべき踊り、飲み交わすべき酒を指定し、その四年の作物の出来映えを予言した大祭王の言葉などを伝える。
 七粒のドングリは小冊子くらいの情報を伝えうるのである。
 エルフの好む酒は清澄で甘く香りの良いものである。彼らは酒をも芸術品とみている。だが飲み過ぎたりはしない。酒への敬意からであるという。酒を造る時、喜びの歌を歌うのはそれを裏付ける。
 エルフの楽器は三弦の弓のようなハープ型のシャイパァや高音の陽気な音階を持つ二叉の笛のリーフルートがある。弾き方と曲はきわめて技巧的である。
 エルフは天気の良い朝、川に水浴びにいく。近いところもあれば、散歩程遠くまで行くこともある。そして果物や茸の新鮮なものを食卓で食べる。火を使った料理は一日二回の朝夕の食事のうち、夕食だけである。茸はエルフの持ち込んだ胞子で生えたものが多い。エルフの住処であるセレンの木は大木で、幹周りが一五メートルから二〇メートルもあり、地上高四メートルくらいのところで大きく枝分かれする。その分かれたところに木で作った家を特殊な組み方で固定するのだが、分岐部に穴の開いたものも多く、小さな地下室になる。
 ところでエルフの狩猟好きは有名だが、これは彼らの数少ないスポーツである。鹿や野うさぎ、そのほかの獣を狩る。彼らは夜、焚き火を囲んで小さなフェスティバルを行ない、一緒に物語やおしゃべりをして竿で釣ってきた魚を肴にする。
 エルフの子供達は長い幼年期とは関係ないのか、好奇心と茶目っ気といたずらに興じる。すばしっこく、森に入った木こりなどにいたずらする。ほか、川遊びや木登り、鬼ごっこ、鳥もちで鳥をとるなどを楽しむ。大人のエルフの静かな落ち着きを見るならば、その幼年期は想像つかないであろう。その芸術好みは別として。
 頭が良く、手先が非常に器用で、美しさを求めるエルフにとって、地下の臭気の中の芸術品への思いはただならぬものと言って良い。美しい"都"の白い町もさることながら、悪を憎む心は美への関心と大いに関係している。
 エルフは人間という極めて寿命の短い種族を様々に理解しようとしている。化け物への警戒からエルフの集落は森によって守られている。森と生き物を愛し、愛するものを奪い破壊するものには攻撃的な態度と考えられぬほど敏捷になり、素早い反応を見せる。もっとも、その辺が種々の怪物がエルフの肉を珍重する原因であろう。
 エルフの好むのは短めの剣か短剣、細身の剣で、弓を扱うのに長け、技巧的な戦い方をする。重い鎧や盾は好まない。エルフの魔法というのは森とのコンタクトであり、その力は魔法に匹敵する。これはエルフと森は理解しあおうとすれば、程度は差こそあれ、通じるもので、例えば会話で「これを何とかしてくれないか」といったお願いの形式となる。この能力の能わぬ者もいることも書き留めておくとする。(祭王によれば発現するかしないか、発現の度合いがどうかだという)