北カスターナの伯(諸王)
目次
クライセン地方
アルボンス伯
大変な高齢で、八十七歳。諸伯はアルボンスを尊敬している。物語と詩の顕学で「中央」に影響力をもつ。文化局の創設者でもある。旧エギナ帝国のエギナ人ケズレンという祖国を裏切り最後までカスタナに尽くした英雄の血も受け継ぐ。北のはずれにケズレンの望みで伯領を持った。北からカスターナへ戻って来るエギナ人を発見するためだという。しかし伯領は地味が貧しく荒野である。クライセン、バラムを治め、北方への備え伯領への軍の駐屯、自国の備兵によって、力のある防衛戦を築いている。
ババン地方
二ヤール伯
サイサース伯
メアロア伯
ジマケ伯
ポエプタース地方
ラスブライアス伯
ムルーバー地方
ハイフォール伯
カスタナ系商のカルターリースによってアズアマイル伯との関係が良好である。
ビスエール伯
カスタナ商アバランカウンを高く評価し信をおいている。
スソラボラン伯
ジレンフロイ伯
カスタナ系商ラドルエイマーとカスタナ系商バロルブラックと仲が良く三人でマジ博物館を運営する。
アゼッパ地方・カスル地方
アズアマイル伯
黒く長い髭を生やす。若い頃は野心家であった。十五英雄サイナーアールの傍系の子孫。サイナーアールの直系は絶えている。子煩悩で、実子を失った今、孤児出身の四人の男児、一人の女児を養子に迎えている。ラカロアース伯、ニスパステイア伯とアズアマイル伯の三人が皇帝選出に候補として残ったが、辞退した。また五、六年前まで建設大臣を務め、ラカロアース皇帝の指示で街道整備と港湾再整備に尽力した。ラジェス、カルタジョン、ペロトス、ソルボルコ、カスル、チアリーバ、タパクーア、ビラマラス、グラスス、ブラトニド、バルトドン、プルデル、リカート、アゼッパを治める。ラジェスはスコープスベノンの蛮族の侵入で戦果が上がっているが、連合王軍の派遣で戦況は好転している。カスタナ系商のカルターリースによってハイフォール伯との関係が良好である。五十一歳。
マルバルネット伯
アイタル地方
ヴァスガライド伯
馬術を好む。馬の飼育と売買を奨励しており、ロストーク種の馬は有名である。ラカロアース(皇帝)とは幼馴染で、ヴァスガライド自身は文武のうち武道を選んだ。ラカロアース(皇帝)の息子、エイエアルを育てているなど、信頼されていることが窺える。しかし、血を好まず、武芸を好むというのが持論で、誤解の多い人物である。十五英雄の血は流れていないが、かつての名将アンビルスの孫である。ロストークを治める。三十歳。
ミルゼット伯
オイクライネド伯
英雄ナルカームスの直系の血筋を引く。四十六歳。領内のほとんどは小麦などの穀物栽培地となっている。比較的、インテリな伯士で、些細ながら魔術を嗜むという。女好きで、更に奏楽と作詩が趣味である。しかし妻を早くに亡くしており、後妻、その継妻とも亡くして、独身の身である。カスルの町で美しい娘と戯れることもあるが再婚はしないらしい。ダーパスを治める。
ツイラン伯
キマルカムラス伯
カスダマルド伯
英雄チェルジャバルの傍系の血筋を引く。三十五歳。野心家であるが髀肉の嘆の憂き目にある。北カスターナのアイタル地方で比較的広い領地を収める。プロブルアールの商取引の拠点がある。武器やいくさ絵の蒐集家でもあり、何人かの剣豪を食客として遇している。ただがむしゃらに戦う古来の気風を備えた、昔ながらのカスタナ気質である。ナイムス、ルイカス、ラタブルスを治める。領内の森では狩猟が盛んだが森の奥地には、人はあまり踏み込まない。
エイヴォン伯
54歳。セト教を信奉する。盲目の病気のため、あまり「中央」に出席しない。黒色を好み、“黒伯士”の渾名を持つ。英雄シャルグレートの直系でかつては弓術に優れ、かなりの腕前だっだ。盲目であることを嘆いており、「私にとって全ては暗黒だ。色彩なぞ私にとって黒以外の何物でもない」という言葉は広まっている。ムルグル、ビーラットを治める。ツイラン伯領と同じく、この領内も黒い衣服を奨励しており、奇妙な雰囲気の国となっている。
ディラフォール地方
ラカロアース伯(皇帝)
二十九歳。文武に優れカリスマ性が高い。皇帝に選ばれたのも当然だろう。フェス=ディーグルを中心とした道路網の建設に熱心である。十五英雄の一人ランドグロアースの直系の子孫とされる。国政に非常に熱心である。他を顧みないほどである。他の伯に敵対派もあるが、その勢力は弱い。皇帝位は正式にはエギン帝国皇帝で、旧エギン帝国の玉璽を持つ。旅行好きで、騎行と帆船での旅を好むが、政務に多忙で、あまりそうした時間をとることができないと嘆いている。もっともその旅でさえ国政の一環である。馬に多少興味がある。妃は三十一歳でラカロアース伯よりも年上だが、美しい女性で、三人の子供を設け、うち一人は女子である。妃はやや倹約家で、良い助言者でもあるという。パリナス、ウサイア、オビトス、ライドローザ、バイア、イガープス、ローカ、マラルグ、ニラサス、セラーナ、そしてフェス=ディーグルを治める。スコープスベノンの蛮族の南下に瀕し、アズアマイル伯とともに苦境にある。有力者ブロンドカスクの弟子であり親友である。
チューン地方
テイア・トロア伯
イズクロア伯
十五英雄ランドグロアースの傍系である。チューン山を奪われ、クロア族と戦った。王軍はチューンを防衛し、多勢に無勢で敗れた。ラカロアース(皇帝)の反対派で、ニスパステイア擁立派の中心であった。テイア=クロア伯との仲は非常に険悪で争いが多い。ところが、ラカロアース(皇帝)に審裁大臣に任ぜられ、私怨と恩義に挟み込まれている。スコープスベノン勢力との仲も囁かれ、黒い人物との噂も多い。あまり知られていないがイズクロア伯領ないでは、評判が高い。妙な良さのある伯である。エコイス、ガンピを治める。五十八歳。
コストル地方
ニスパステイア伯
カスタナ系商ヴェネボールと親しい。
ネウケン地方
スイルアロン伯
マルノ地方
メルデール伯
シズグラー伯
関連項目