月国家成立の歴史

提供: マジシャナルズ wiki
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 ヒトゲノム解析計画は、巨大企業のパテントとなり、地球評議会では、そのパテントを有効とみとめ、技術革新は資産家の専有物と化し、荒れはてた、民族紛争の絶えない……未だに先進国と発展途上国の南北問題を解決できない……ままの、人口爆発を抑えきれない地球に絶望し、理想主義者の医師たちの一部は、地球と月の軌道エレベータが完成した後に、月面に移民し、科学主義者の多い独立国家を形成した。

 その国家は穏やかな形で地球評議会の強硬な圧力があったにもかかわらず、火星帝国の成立以前に「アカデミック」研究機関としての色彩が濃厚であるため、結局、関税の無効、不平等条約の締結で地球評議会は折れ、独立が承認された。地球の遺伝病を抱える貧困層の市民は月への軌道エレベータでゲノムパテントを認めない国家へ治療のため旅だった。軌道エレベータのテロリズムによる破壊はヒポクラテスの誓いに忠実な科学者集団の怒りと無念のショックを与えた事件だった。


隆見ヲサム