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 現在特に評議員を悩ませているのは、主として不穏分子の間で広がっている新興宗教、すなわちレラール教(暫定)である。この教団は、人類の持つなにものにも負けない不屈の精神と支配されない自主独立性をうたいあげている。評議会は月に住む科学者のAI支配に追従した議決しか出さない(出せない)ため、同教団は強い反発心を持ち、地球のあちこちで破壊活動を起こしている。<br>
 評議会での意見としては――つまり地球の意見としては――何としても自力での解決を果たさねばならない。でなければ、火星帝国レッド・テラ(暫定)が「地球の諸問題の解決に積極的な協力を申し出る」という古典的な外交辞令とともに軍隊派遣ひいては植民地支配を実行に移すこと必定である。それを力づくで跳ね返すには、地球の力はあまりにも疲弊しきっていた。 評議会での意見としては――つまり地球の意見としては――何としても自力での解決を果たさねばならない。でなければ、[[火星帝国レッド・テラ]]が「地球の諸問題の解決に積極的な協力を申し出る」という古典的な外交辞令とともに軍隊派遣ひいては植民地支配を実行に移すこと必定である。それを力づくで跳ね返すには、地球の力はあまりにも疲弊しきっていた。<br>
 一部の評議員からは、万一に備えた民兵組織の設置と、戦時特別課税が提案されていた。しかし、議決には至らず、いたずらに時間が流れる内決定的な事件が発生する。月への移動を可能にしていた軌道エレベーター基地と宇宙港を、レラ―ル教徒たちが爆破したのである。これは、テロをおこした側にも、予想だにしない強烈な事態を起こした。当初、ちょっとした破損を招くだけに留めるはずだった軌道エレベーターは完全に崩落、破片は地球に落下して大惨事を引き起こす。地球は混乱し、あらゆる通信・流通システムは麻痺寸前にまで追いこまれた。<br>

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