ジェネフォートバース

提供: マジシャナルズ wiki
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No.43

サイキッカーの命名と研究

 20世紀中葉に真面目に研究されていた「超能力」は、笑いの種として、または手品のうたい文句として、にわかに言葉だけが先行して世界に広まった。第二次世界大戦から冷戦の時代まで莫大な軍事費と生命が投入され、超能力研究も、その投入先のひとつであったとされている。この時代の研究では、何の成果も上がらなかった。ただし、不妊の男性が夫の夫婦に、超能力者の遺伝子を広める目的のために医療と称して実験が行われたという噂がある。この研究は「ヒトゲノム解読計画」のバイオテクノロジーで、ひとつの光明を得る。

 「ヒトゲノム解読計画」は、21世紀に入って終わった。それは大きな示唆を与える基礎研究となったが、特許利権がその早い完了を促したのだった。そして人工的にコントロールされた遺伝子を作り出す「ゲノムマッパー技術」がすすみ、特許の消滅した時代に、大きく進歩した。

 地球規模に限らず、相次ぐ民族紛争、宗教戦争、テロリズム……。時代が進んでも、にくしみと戦乱の炎は消えることがない。軍事研究は途切れることがなかった。やがてゲノムマッパー技術を使ってある素質の劣性遺伝子として、ナノテクノロジーで作られたエミュレート・ミトコンドリア・マシンを組み込んだ人間を生み出し、人工の超能力者を誕生させることが可能となった。

 この最初の超能力者は近い未来の予知ができた。が、発狂して自殺未遂を繰り返す人生を送った。ゲノムマッパー、そしてナノマシン、最初の超能力者のあだ名「フォーチューン・テラー」とから頭文字を取って、超能力はGENAFORTE、「ジェネフォート」、超能力者は「ジェネフォートバース」と呼ばれている。ジェネフォートバースは劣性遺伝だが、その血筋にはエミュレート・ミトコンドリア・マシンが母親の卵巣からして存在し続けるため、その血筋で劣性遺伝の素質があれば、生まれた子供はジェネフォートバースとなる。


追記

 先祖から受け継いだ自己増殖型のナノマシンはこの時代の現代人には珍しいものではない。


隆見ヲサム