差分

　たとえば、es細胞技術とiPS細胞技術はどうでしょうか。<br>

 <q>ES細胞を作成するためには、ヒトの受精卵を壊す必要がある、という問題である。体外受精の過程で生じる「余剰胚」と呼ばれる受精卵だが、これを母胎に戻せばヒトが生まれることから、それを破壊することは「人工妊娠中絶」やさらには「殺人」に相当するのではないか、という疑念が欧米のキリスト教界を中心に提起された。というのも、ローマ・カトリック教会は「ヒトの生命は受精の瞬間から無条件の尊重を要求する」という立場から、たとえ研究上の目的であっても、受精卵への操作や廃棄は生命を奪う行為であるとして、それに強く反対してきたからである。</q><ref name = "esips"/><br>  　こうした問題をiPS細胞技術は解決した。しかし、新たな倫理的空白を生み出した。これがトランス・サイエンスです。懸案は同性同士の細胞を使って卵子と精子を作ることが出来る可能性があることや、キメラを使った臓器培養が出来る可能性についてです。こうして、科学は科学には答えられないトランス・サイエンスを生み出しました。<br> 　ここで思い出して下さい。科学と魔術の対立図式を。魔術には迷信や詐欺などもありましたが、心理的なもの、願いと祈りがその本質でした。それが魔術と宗教を支えていたのです。それが、トランス・サイエンスに対峙できる手がかりとなるでしょう。<br>　そんな期待から、科学と魔術の対立図式を文学やエンターテインメントで愉しんでみる。<br>　このテーマこのような位置づけです。<br>